炭水化物は不要?ドッグフードの栄養バランスを解説

【記事監修】藤岡

栄養士・開発

炭水化物は悪ではない!ドッグフードにおける役割と適量


結論からいうと、炭水化物は「犬にとってもエネルギー源として重要」であり、総合栄養食として設計されたドッグフードに含まれる範囲であれば、不要どころか健康維持に役立つ栄養素です。


この記事のポイント

炭水化物は、犬にとっても三大栄養素のひとつであり、エネルギー源・食物繊維・体重管理などの面で重要な役割を持っています。「炭水化物は不要」「グレインフリーなら安心」といったイメージだけで判断せず、総合栄養食としてのバランスの中で適量を考えることが、愛犬の健康を守るポイントです。


今日のおさらい:要点3つ

  • 犬にも炭水化物は必要で、ドライフードには一般的に30〜60%程度の炭水化物が含まれています。
  • 炭水化物は効率的なエネルギー源であり、食物繊維として腸内環境や体重管理にも貢献します。
  • グレインフリー=炭水化物ゼロではなく、イモ類や豆類など別の炭水化物源が使われるため、「穀物の有無」だけで良し悪しを判断すべきではありません。

この記事の結論

炭水化物は犬にとっても必要なエネルギー源であり、総合栄養食として設計されたドッグフードに含まれる量であれば「悪」ではありません。

一言で言うと、「炭水化物=太る原因」というイメージではなく、「適量ならエネルギーと腸の健康を支える栄養」と考えるべきです。

最も大事なのは、タンパク質・脂質とのバランスの中で炭水化物の割合をとらえ、総合栄養食をベースにすることです。初心者がまず押さえるべき点は、「炭水化物は表示されにくいが、計算でおおよその割合を求められる」という仕組みを理解することです。穀物アレルギーがない犬にとって、グレインフリーを選ぶ必然性は低く、むしろ炭水化物や栄養バランス全体でフードを見ることが重要です。


炭水化物は不要?ドッグフードにおける役割と誤解

炭水化物は「不要」ではなく、エネルギー源として必要

結論から言うと、炭水化物は犬にとって「不要な成分」ではなく、エネルギー源として役立つ重要な栄養素です。

AAFCO(米国飼料検査官協会)はタンパク質や脂質に比べ、炭水化物の必須量を数値で定めていませんが、これは「必要ない」からではなく、総合栄養食の設計上、自然と必要量が確保できる前提だからと解説されています。例えば、市販のドライフードにはおおむね30〜60%の炭水化物が含まれており、この範囲であればエネルギー源として機能しつつ、タンパク質や脂質ともバランスが取れた配合になっていると考えられます。

「肉だけ食べていればいい」は誤解

一言で言うと、「オオカミ=肉食だから犬に炭水化物は不要」という考え方は、現代の獣医栄養学から見ると誤解です。

犬はオオカミに近い祖先を持つ一方で、人とともに暮らす中で澱粉を消化する能力が発達してきた「雑食寄りの肉食動物」と位置づけられています。例えば、炭水化物をほとんど含まない肉だけの手作り食を長期的に続けると、エネルギー源が脂質に偏りやすく、ビタミンやミネラル、食物繊維が不足するリスクが指摘されています。

炭水化物の主な役割:エネルギー源+食物繊維

結論として、炭水化物の役割は大きく「エネルギー供給」と「食物繊維による腸内環境のサポート」の2つです。

炭水化物は消化されてブドウ糖となり、運動や体温維持、脳・神経の働きなどに使われます。また、穀物やイモ類には食物繊維が含まれており、腸の動きを整え、便の状態を安定させるほか、血糖値やコレステロールのコントロールにも役立つとされています。

どのくらいの炭水化物量が目安?

一言で言うと、「一般的な総合栄養食に含まれる30〜60%程度」が目安となる範囲です。

ドライフード中の炭水化物量は通常30〜60%程度であり、手作りごはんでも同程度を目安にするとよいとされています。例えば、あるドッグフードの分析例では、タンパク質27%・脂肪16%・炭水化物57%という構成が紹介されており、タンパク質と脂肪を合わせたエネルギーを差し引いた残りを炭水化物として計算する方法も示されています。

炭水化物=太る?体重管理との関係

結論として、「炭水化物だから太る」のではなく、「摂取カロリー全体が消費を上回ると太る」というのが正しい理解です。

炭水化物1gあたりのカロリーは約4kcalとされ、脂肪の9kcal/gに比べるとカロリー密度は低く、食物繊維を含む複合炭水化物は満腹感も得やすいため、体重管理に有利とする見解もあります。例えば、肥満気味の犬に対しては、脂肪分を抑え、適度な炭水化物と食物繊維を含む減量用フードを選ぶことで、カロリーを抑えつつ満足感を維持しやすくなります。


グレインフリー=炭水化物ゼロではない!穀物と炭水化物の違い

グレインフリーでも炭水化物は含まれる

結論として、グレインフリーフードは「穀物不使用」ではありますが、「炭水化物ゼロ」ではありません。

グレインフリーでは、米・小麦・トウモロコシなどの穀物の代わりに、ジャガイモ・サツマイモ・豆類・エンドウマメなどの炭水化物源が使われており、依然として炭水化物はエネルギー源として含まれます。例えば、穀物不使用のドライフードであっても、イモ類や豆類由来の炭水化物が一定量含まれており、体重増加の要因になりうるため、穀物を抜けば自動的に痩せるというわけではありません。

「穀物=悪」というイメージへの注意

一言で言うと、「穀物=犬に悪い」という考え方は科学的根拠に乏しく、行き過ぎたイメージ先行です。

穀物アレルギーがない犬にとって、穀物はエネルギー源・食物繊維源として有用であり、穀物そのものが健康に害を与えるという決定的な証拠はないとされています。また、アメリカでは一部のグレインフリーフードと特定の心筋症リスクとの関連が疑われた報告があり、「グレインフリー=必ず安全」というわけではない点も指摘されています。

穀物アレルギーの場合はどうする?

結論として、実際に穀物アレルギーが診断された犬にとって、グレインフリーは有効な選択肢になり得ます。

ただし、アレルギー検査の結果だけで「穀物NG」と自己判断したり、症状がないのに予防目的で穀物を完全排除したりすることは推奨されていません。例えば、皮膚のかゆみや消化トラブルが続く場合には、獣医師と相談のうえで食物負荷試験などを行い、穀物なのかタンパク源なのか原因を特定したうえで、適切なフード選びをすることが重要です。

炭水化物の割合を計算する簡単な方法

一言で言うと、「100 −(水分+タンパク質+脂肪+繊維+灰分)」で炭水化物%を推定できます。

ドッグフードのパッケージには、タンパク質・脂肪・粗繊維・灰分・水分の%が表示されており、これらを足した残りが「炭水化物(可溶性無窒素物)」とみなす計算方法が獣医師サイトでも紹介されています。例えば、タンパク質24%・脂肪12%・繊維5%・灰分10%・水分8.5%のフードであれば、100−(24+12+5+10+8.5)=40.5%が炭水化物と推定でき、これは一般的なドライフードの範囲内と言えます。

手作りごはんでの炭水化物の目安

結論として、手作りごはんの場合は「食事全体の2割程度をごはんなどの炭水化物源にする」目安が紹介されています。

手作り食でごはんを与える場合、「全体の2割程度」が一般的な目安として挙げられており、残りをタンパク質と野菜などで構成するバランスが推奨されています。例えば、1食200gの手作り食であれば、ごはん40g(2割)、肉100g、野菜60gといった構成が一例としてイメージしやすいでしょう。


よくある質問

Q1. 犬に炭水化物は本当に必要ですか?

A1. はい、エネルギー源・食物繊維源として重要で、総合栄養食に含まれる炭水化物で必要量はカバーできます。

Q2. ドッグフードの炭水化物量はどれくらいが普通ですか?

A2. 一般的なドライフードには30〜60%程度の炭水化物が含まれているとされています。

Q3. 炭水化物は太る原因になりませんか?

A3. カロリーの摂りすぎが太る原因であり、適量の炭水化物は満腹感や体重管理にも役立ちます。

Q4. グレインフリーなら炭水化物はゼロですか?

A4. いいえ、イモ類や豆類など別の炭水化物源が使われるため、炭水化物は依然として含まれています。

Q5. 穀物は犬に悪いのですか?

A5. 穀物アレルギーがない犬にとって、穀物は有用なエネルギー源であり、一律に悪いとは言えません。

Q6. 炭水化物の割合はどうやって計算できますか?

A6. 「100 −(水分+タンパク質+脂肪+繊維+灰分)」でおおよその炭水化物%を求められます。

Q7. 手作りごはんでは炭水化物をどのくらい入れればいいですか?

A7. 目安として、食事全体の約2割をごはんなどの炭水化物源にするバランスが紹介されています。

Q8. 高齢犬でも炭水化物は必要ですか?

A8. はい、シニア犬でもエネルギー源として必要で、ライフステージに合った総合栄養食で適量を摂取できます。

Q9. 炭水化物を減らしたい場合はどう選べばいいですか?

A9. タンパク質と脂肪が高めで炭水化物比率が低いフードを選びつつ、総合栄養食のバランスを維持することが重要です。


まとめ

炭水化物は犬にとっても必要な栄養素であり、総合栄養食として設計されたドッグフードに含まれる範囲であれば「悪」ではありません。

ドッグフード中の炭水化物はおおむね30〜60%程度で、エネルギー源・食物繊維源として、体重管理や腸内環境の維持に役立ちます。最も大事なのは、炭水化物の有無だけでなく、タンパク質・脂質とのバランスや愛犬の体質・ライフステージ全体を見てフードを選ぶことです。


 

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