ドッグフードの選び方で体臭は変わる?原因と対策を解説

【記事監修】藤岡

栄養士・開発

ニオイの原因は複数:体臭改善に向けた「食事と体ケアのチェックリスト」

この記事のポイント

  • 「どこまでが”食事のせい”で、どこからが病気やケア不足なのか」を切り分けられるようになる
  • 実際にフードを替えて体臭が変わったケースをもとに、原材料・添加物・消化性のどこを見るべきかが分かる
  • 「うちの子のニオイを軽くするには何から手をつければいいか」を、今日からできる具体的なステップとしてイメージできる

今日のおさらい:要点3つ

  • 体臭の大元は、皮膚・耳・肛門腺・口・消化管ガスが中心で、「合わない食事(不消化の原材料・添加物・アレルゲンなど)」は腸内発酵やアレルギー性皮膚炎を通じてニオイを悪化させる
  • 高脂肪・消化しづらい食材(豆類・高繊維・難消化タンパク質など)や質の低い原材料・人工添加物が多いフードは、ガス・便・体臭を強くする一因となりやすく、逆に「高消化性・余計な添加物が少ないフード」に変えると改善する例が多い
  • 迷うなら、「シャンプーや耳掃除など外側のケア」と「フード・おやつ・アレルギーの有無など内側の見直し」をセットで行い、2~4週間単位でニオイの変化を記録しながら調整していくのがおすすめ

この記事の結論

一言で言うと、「犬の体臭は、ドッグフードの質と相性でかなり変わる」です。

最も重要なのは、「”臭い=シャンプー不足”と決めつけず、皮膚病や耳・肛門腺の異常、そして食事(特に質の低いフードや合わない食材)の3方向から原因を探す」ことです。

失敗しないためには、「ニオイをごまかすだけのケア用品に頼るのではなく、”何を食べさせ、どうケアしているか”を見直し、必要なら獣医と一緒に除去食試験やフード変更を進める」ことが大切です。


犬の体臭の主な原因と、どこまでが「食事」の影響か

まず押さえたい”体臭の出どころ”

動物保護団体や獣医病院の解説によると、犬のニオイの主な発生源は、皮膚(脂漏・細菌/酵母感染・アレルギー性皮膚炎)、耳(外耳炎:酵母・細菌感染で”チーズ”や”腐敗臭”)、口(歯周病・歯石・口内炎による口臭)、肛門腺(分泌物や炎症で強烈な魚臭・鉄臭)、消化管ガス(腸内発酵によるオナラ、ゲップ)が挙げられます。

Best Friends Animal Societyは「犬が強く臭う場合、多くは皮膚の感染や分泌異常が関係している」とし、慢性的な体臭は獣医チェックが必要だとしています。

正直なところ、「体臭=全部フードのせい」ではありません。ただ、食事が”火に油を注いでいる”ケースは確かに存在します。

食事が関わる2つのルート

腸内環境ルートでは、難消化の原材料(豆類・一部の繊維・粗悪なタンパク質)や急なフード変更が、腸内細菌による発酵を増やし、ガス(オナラ)や便のニオイを悪化させます。その一部は体臭としても感じられるようになります(とくに室内犬)。

アレルギー/不耐性ルートでは、食物アレルギーや不耐性があると、皮膚バリアが乱れ、菌や酵母が増えて”カビっぽい””酸っぱい”体臭が出ることがあります。

Shawsheen Animal Hospitalは「低品質なフードや特定の原材料、食物アレルギーは体臭の悪化に寄与する」と述べ、原因食材の除去と高品質フードへの切り替えを勧めています。

食事だけでは解決しないケースも

American Kennel Clubは、「犬の悪臭の最も一般的な医療的理由は、皮膚や耳の二次感染であり、アレルギーがその引き金となっている」と指摘しています。

この場合、フードを変えるだけ、シャンプーを変えるだけでは不十分で、抗真菌薬・抗菌薬・アレルギー治療など、獣医の治療と並行したケアが必要になります。

ケースによりますが、「食事で良くなるニオイ」と「食事だけではどうにもならないニオイ」を見極めることが大事です。


ドッグフードが体臭悪化につながるパターン

難消化な原材料・添加物が多い

ドッグフードのガイド記事や獣医のコラムでは、難消化の炭水化物・繊維(豆類・一部のフルーツ・ビートパルプ・多量の可溶性繊維)、低品質・難消化なタンパク源(不明瞭な”ミール”や副産物が中心で、消化率が低いもの)、人工添加物の多用(合成香料・着色料・保存料が多いフード)が「ガスやニオイの悪化要因」になりやすいとされています。

PetMDやFrankie’s Friendsは、「非吸収性の糖や発酵性の繊維、消化しにくい肉は、大量の悪臭ガスを生みやすい」と述べており、ガスが多い犬には大豆・豆・牛乳製品・一部の野菜やスパイスを避けやすいフード、米などの高消化性炭水化物ベースのレシピを推奨しています。

アレルギーを起こしやすい食材が含まれている

Urban Animalは、「食物アレルギーを持つ犬は、皮膚のベタつき・増えた汗・二次感染により、ムッとする体臭を発しやすい」と述べています。

Shawsheen Animal Hospitalも、「食物アレルギーが疑われる犬では、除去食により体臭と全身状態が改善することがある」とし、小麦・牛肉・乳製品などよくあるアレルゲンを避けたフード、獣医管理のもとでのエリミネーションダイエットを勧めています。

正直なところ、「なんとなく安いから」「よくCMで見るから」という理由だけで選んでいると、その子の体質と合わない食材をずっと入れ続けてしまうリスクがあります。

実体験:フードを変えたら”におい”が変わった話

室内飼いの中型犬(雑種・5歳)のケースが印象に残っています。

当時の状況は、来客のたびに「ちょっと犬のニオイ強いね」と言われていて、特に濡れた時と、ソファで寝ていた後のクッションのニオイが気になるというものでした。当時のフードは大袋の低価格フードで、原材料の前半に「とうもろこし・小麦・動物性油脂・家禽ミール」などが並んでいました。

フード変更後は、主原料が肉、穀類は米メイン、人工着色料なしのフードへ変更し、おやつも人間の揚げ物の端っこをあげるのをやめ、市販のシンプルなトリーツに変更しました。

飼い主さんは「最初は半信半疑だった」と話していましたが、「実は、2週間くらい経ってから、ふとソファのニオイが前ほど気にならないことに気づいたんです」と感じたそうです。さらに1ヶ月後、「翌朝の部屋の空気が前より軽くなった気がする」という、ささやかな変化も感じたとのことです。

もちろん、同時にシャンプーの頻度を「月1→2週間に1回」に調整し、耳掃除や歯磨きも始めたという複合的なケアの結果でもありますが、「フードを変える前と後とでは、明らかに体臭の質が変わった」とのことでした。


ドッグフードで体臭を改善するためのステップ

STEP1:「どのニオイ」が気になるのかを切り分ける

まずは、ニオイの”発生源”を観察します。頭~首から耳のニオイ(甘酸っぱい・腐敗臭)、体は濡れた時に強まる”カビっぽい”臭い・ベタつき、口は近づくと分かる口臭、肛門周りは魚臭い・鉄臭い強烈なニオイ、オナラは音はなくても、時々部屋に残る強いガス臭を確認します。

Best FriendsやAKCは、「強い体臭が続く場合はまず獣医で皮膚・耳・肛門腺・歯をチェックすべき」としています。

正直なところ、「全部フードのせい」にしてしまうと、本当に治療が必要な病気を見落とす危険があります。

STEP2:フードの「質」と「シンプルさ」を見直す

フードによる体臭悪化が疑われる場合、次の点を見直します。

主原料として、「肉(チキン・サーモンなど)」が最初に来ているか、穀類は米やオートなど高消化性のものが中心かを確認します。

不要な添加物として、合成着色料・香料がズラッと並んでいないか、「~風味」「不明瞭な油脂」が多くないかをチェックします。

アレルゲンになりやすい食材として、過去に下痢・かゆみが出た食材が入っていないかを確認します。

Shawsheen Animal Hospitalは、「低品質なフードや一定の原材料が体臭悪化の一因になる」と述べ、必要に応じて別原材料の高品質フードへの切り替えを勧めています。

また、AKCのコラムでも「食物アレルギーや不耐性が疑われる場合、獣医と相談してグレインフリーや魚ベースなど別タイプの食事に変えると改善することがある」と紹介されています。

STEP3:ガス・うんちのニオイも”体臭の一部”として見る

PetMDは、「犬のガス(おなら)は食事と深く関係しており、難消化食材・高脂肪・食事の急な変更・高繊維食・乳製品などが臭いガスの主な原因」と説明しています。

Frankie’s Friendsも、「ガスの99%は無臭だが、残り1%の硫黄ガスがニオイの原因。豆・豆類・乳製品・一部の野菜はこのニオイを増やしやすい」と述べています。

よくあるのが、「体は洗っているのに、部屋のニオイが取れない」ケースです。実は、”おなら”が静かに部屋に溜まっているなんてことも。

フードの変更でガスが減ると、部屋の空気、ソファやカーペットの残り香も軽くなるので、「体臭対策=ガス対策」も侮れません。


よくある質問

Q1:本当にドッグフードで体臭は変わりますか?

A1:はい、変わるケースは多いです。低品質なフードや合わない原材料は、腸内環境や皮膚状態を悪化させ、体臭を強める要因になります。高品質・高消化性のフードに変えることで改善した例が多く報告されています。

Q2:体臭が気になったら、まずフードを変えるべきですか?

A2:いきなりフードだけを疑うのは危険です。皮膚・耳・肛門腺・歯などの病気が隠れていることが多く、まず獣医の診察を受けたうえで、必要ならフード変更を検討するのが安全です。

Q3:どんなフードに変えれば体臭が良くなりやすいですか?

A3:一般的には、主原料が高品質な動物性タンパク、消化性の高い炭水化物(米など)、人工着色料や不要な添加物が少ないフードが推奨されます。食物アレルギーが疑われる場合は、獣医の指導で除去食を行うこともあります。

Q4:どれくらいでニオイの変化が分かりますか?

A4:腸内環境や皮膚の状態が変わるには時間がかかるため、多くの場合2~4週間程度は様子を見る必要があります。即日で劇的に変わることは少なく、少しずつの変化を記録して判断します。

Q5:体臭対策でフードを変えるときの注意点は?

A5:7~10日ほどかけて旧フードと混ぜながら徐々に切り替える、同時におやつ・人間の食べ物も見直す(揚げ物・乳製品・豆類など)、ニオイだけでなく、便・皮膚・耳・目やに・元気も一緒に観察することが大切です。

Q6:体臭が強いのは「犬種のせい」ですか?

A6:一部の犬種(皮膚にシワが多い犬・脂漏体質の犬など)はにおいやすい傾向はありますが、多くの場合、適切なスキンケアとフード選びでかなり軽減できます。

Q7:においを消すサプリやスプレーだけで対策してもいいですか?

A7:ニオイを一時的に和らげることはできますが、原因(皮膚病・耳・肛門腺・食事)がそのままなら、問題は進行する可能性があります。「香りでごまかす」のではなく、「原因を特定してケア・食事を見直す」のが根本的な対策です。


まとめ

犬の体臭は、皮膚・耳・肛門腺・口・腸内ガスなど複数の要因で決まり、”合わないドッグフード”はそのうち「腸」と「皮膚」を通じてニオイを悪化させます。

高脂肪・難消化な原材料・人工添加物の多用・アレルゲン食材を含むフードは、ガス・便のニオイ・皮膚トラブルを招きやすく、結果として体臭も強くなりやすいです。

高品質でシンプルな原材料・高消化性のフードに切り替え、並行して適切なスキンケア・耳・歯・肛門腺ケアを行うことで、2~4週間ほどで「部屋の空気が変わった」と感じる飼い主も多いです。

犬の体臭改善は、ニオイを一時的に消す対策ではなく、「その子の体に合った食事と外側のケア」をセットで見直すことで、初めて根本的な改善につながります。


 

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